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超巨大宇宙文明の真相

第8章 心霊天球の深求(サイコスフィア)

我々はラティオヌシに従って<ドコ>の中の一角、外界から音が遮断され、完全にリラックスできる安楽室へ向かった。
ここでラトリと二人の”年長者”は立ち去り、ラティオヌシ、タオ、ピアストラ、それに私の四人が残った。
タオの説明によれば、私の<サイキックパワー>は充分に開発、洗練されていない。そのためこれから行われる、重要で大変珍しい体験に備えて秘薬(エレクシール)を飲む必要があると言う。
それは1万4000年前、ムー大陸が消えたときの<サイコスフィア>を探求するためだった。
私が理解していたサイコスフィアとは次のようなことだ。

各惑星のの周りはその創造以来、光速の7倍で回転するある種のサイコスフィアまたはバイブレーションの繭(まゆ)で取り囲まれている。
この繭は、いわば惑星上のすべての出来事を完全に吸収する吸取器のように作用する。
地球上の我々には中身にアクセスすることは不可能で、その中の”ストーリーを読む術(すべ)はない。
アメリカで<タイムマシーン>を作るために研究者、技術者たちが雇われたが、現在にまで、彼らの努力が報われていないのはよく知られている。
タオによると、問題は波長よりもむしろ繭のバイブレーションに合わせることにあるという。
宇宙の不可欠な部分をなしている人間には<アストラル体>があるのでそれが可能である。
もし適切な訓練がおこなわれれば、求める知識をサイコスフィア内部から引き出すことができる。
もちろん、これにはかなりの訓練が要求される。
「ミッシェル、これはあなたにもサイコスフィアへのアクセスを可能とする薬です」

我々四人は特別なベットの上で気持を楽にした。
タオ、ピアストラ、ラティオヌシが作る三角形の中心に寝かされた私は、液体の入ったグラスを渡され、それを飲んだ。
そしてラティオヌシが人差し指を私の松果体にのせている間、ピアストラとタオも軽く指を私の手とみぞおちにのせた。
彼らは私に何が起ころうとも決して恐れる必要はなく、完全にリラックスしているように言った。
我々はこれからアストラル体で旅するが、その間、私は彼らの指導の下にあり、まったく安全であると教えられた。
タオは穏やかにゆっくりと話しかけ、それにつれて、私の恐れも減っていった。
とはいうものの正直に言うと、最初は非常に恐ろしかった。
目を閉じているにもかかわらず、突然、揺らめいて輝くスペクタルな色に目がくらんだ。
周りには三人の仲間がいるのが見えた。
彼ら色を帯び発光しながら、半透明になっていた。
村がゆっくりと我々の下でぼやけて見えた。

私は、四本の銀のコードが我々の肉体を結びつけ、それが大きな山形を作っているという奇妙な感覚を持った。
突然、目もくらむような白金色の光が私の視界を横切り、その後しばらく、何を見ることも感じることもできなくなった。
銀色の太陽に似た球体が宙に現れ、ものすごい速度で近づいてきた。
我々は、いや私はと言うべきだが、その瞬間、もはや仲間たちの存在が認識できなくなっていた。
銀色の大気を通り抜けたとき、私を取り巻いていたのは霧に過ぎなかったのを知った。
どれだけの時間がたったのか分らなかったが、いきなり霧が晴れ天井の低い四角い部屋が見えてくると、その中で二人の人物が脚を組んで美しい色のクッションにもたれているのが分った。
部屋の壁は精緻(せいち)に彫刻された石のブロックでできていた。
それには現代文明の光景に加え、透明に見えるブドウの房や見たことのないフルーツそれに何頭かは人間の頭をした動物たちなどが彫られている。
三人の仲間と私は、ガス状の塊となって”単位ユニット”を作っていたが、お互い見分けることができた。
「我々はサバナサ・ピラミッドの中央広間にいます。」ラティシオヌシが言った。
信じがたいことに、ラティしオヌシは口を開かず、フランス語で私に話しかけてきたのだ!
説明が続いた。「これが本当のテレパシーですよ、ミッシェル。質問しないで。すべては自然が明らかになり、あなたは知らなければならないことを学ぶことになるのです」
(私には自分の体験を本書の中で報告するという使命がある以上、その時の私の状態をできるだけわかりやすく説明しなければならない。わたしのアストラル体はサイコスフィアの中に入っていった。
ここでは”見た””聞いた””感じた”という表現は適切ではなく、我々が通常経験するのとはかなり違った方法で”自然発生的に”ある感覚が生まれるのだ。
それはアストラル体で旅する時に経験するものとも異なっていた。
出来事は、夢の中でのように起こり、ある時は非常にゆっくりと、ある時は面食らうほどのスピードで起こった。
出来事のあとには、すべてのことが自明のように思われた。
直ちに、私は部屋の天井に穴が開いていて、その奥に星が見えるのがわかった。
二人の人物がその星との間に目に見える想念の交換を行っていた。
彼らの松果体から、銀色のタバコの煙のような蒸気の糸が天井の穴を通って、遠く離れたその星に向かっていた。
二人はまったく微動だにしなかった。
彼らの周りには柔らかい金色の光が漂っていた。
我々は別次元の観察者で、私は仲間から絶えず保護されていたおかげで、その二人には我々が分らなかったばかりか、我々に邪魔されることもなかった。
私はさらに注意深く彼らを観察することができた。
彼らの一人は肩まで長い白髪を伸ばした年老いた男性だった。
彼はサフラン色の(ユダヤ教の)ラビたちが被るものとそっくりの布製の縁なし帽を、後頭部に被っていた。
また、長い袖のついた黄金色のゆったりとした服にすっぽりと包まれていた。
彼が座っていた位置の関係では見えなかったが、私には裸足であるのが分った。
両手はわずかに指先で触れ合っていて、計り知れない集中力を示していた。
また、指から少し青みがかった閃光が走っているのをはっきり見えることができた。
二人目の人物は黒い髪をしていたが、もう一人とはほぼ同年齢に見えた。
彼も同様に、色は異なるが明るいオレンジ色のゆったりした服を着ていた。
彼らはまったく微動だにせず、息もとまっているようだった。
「彼らは別の世界とコミュニケーションをとっているのです、ミッシェル」それが三人の説明だった。

地球で最も高度に発達し、かつ地球の半分以上も地域を支配しているムー大陸

突然、その場面が消えると直ちに別の場面が現れた。
金箔で覆われたパコダ状の屋根を持つ宮殿が、我々の前にそびえ立った。
数々の塔、堂々とした入り口、素晴らしい庭園に向かって開かれている大きな見晴らし窓、虹がかかっている噴水付きのエナメルのプール.........。
何百羽ものもの鳥たちが巨大な庭に点在する木々の枝を飛び回り、それでなくても魔法のような光景に華麗な色を添えていた。
人々はさまざまなスタイルと思い思いのチェニック着て、木々の下やプ−ルのそばをグループで散歩していた。
ある者は快適と平穏を得るために特別に設けられた木陰の花園に座って瞑想をしていた。
全体の景色は、宮殿の向うにぼんやりと現れた巨大なピラミッドによって支配されていた。

我々はちょうどこのピラミッドを出て、ムーの首都サバナサの荘厳な宮殿に見惚れていたのだ。
宮殿の向こう側には、先にタオが話してくれた高原が四方に広がっていた。
まるで一枚の石畳で造られたような道路は少なくても40メートルもの幅があり」、庭園の中心から向かって延びていた。
道は、巨大な、様式化された彫像の点在する二列のどっしりした街路樹に縁取られていた。
いくつかの彫像は、幅広い緑をつけた赤や緑の帽子を被っていた。
路上では、馬や、イルカにた頭をした四本足の奇妙な動物たちが背に人々を乗せて歩いていた。
これらの動物たちは、伝説でも聞いたことがなかったので、私は非常に驚いた。
「あれは大昔に絶滅した<アキテバヨス>よ、ミッシェル」
その動物は巨大な馬の大きさで、鮮やかな尾はクジャクの羽に似て時々扇のように広げられた。
脚や尻の部分は馬よりもふくよかで、胴体はかなり長く、肩はサイのようで、前脚は後ろ脚よりも長かった。
尾を除くと、体全体は長い灰色の毛で覆われていた。
そして、それがギャロップすると、私はラクダが走る様子を思い出した。

私は仲間たちにまったく別な場所に連れてこられたように強く感じた。
我々はその動物たちに乗った人々の間を素早く通過したが、私には彼らの言葉を”理解する”ことができた。
それはとても耳に心地よい言葉で、子音よりも母音が多いように聞こえた。

目まぐるしく画面が切り替わるフィルムのように、直ちにまた別の場面が現れた。
SF作家が喜びそうな空飛ぶ円盤型の機械が、高原の端に広々とした一角に並んでいた。
人々は”空飛ぶ機械”から乗り降りして、明らかに空港として機能している巨大なビルのほうに向かっていた。
空飛ぶ機械は着陸時に”耳”に優しい”ヒュー”という音を発した。
私が聞いた音の大きさは、これらの人々が実際に聞く強さとほぼ同じ大きさだと教えられて。
この光景に私は驚いた。
非常に進歩した、数千年も前に死んだ人々の日常生活を、私は見ていたのだ!
私は足もとの道に目を向けた。
一枚の巨大な石畳で出来ているように見えたその道は実際は正確に切り取られた巨大な敷石が詰められていたのである。
高原の端からは、巨大都市、港そして海がパノラマように見渡せた。
次の瞬間、我々はさまざまなデザインと大きさの家々で区切られている大道りにいた。
たいていの家には花で飾られたテラスがあり、時々可愛い鳥がいるのを目にすることができた。
テラスのない家には美しいバルコニーがあり、やはり花で満たされていた。
それはとても愛くるしい光景で庭園の中を歩くようだった。
通りで無音の<空飛ぶプラットホーム>利用して、人々が路上約20cmの高さを歩いたり飛んだりしていた。
それはとても快適そうだったが、他の人々は馬の背に乗っていた。
通りの先には巨大な広場があったが、女性用衣類を売る店がまったくないのに驚いた。
その代わり、ハートと味覚に訴える<露店>が並んでいた。
魚で記憶しているものは、マグロ、サバ、カツオ、エイなどである。
また豊富な肉や野菜もさまざまに並べられていた。
しかし、もっとも目立ったのは花だった。
誰もが髪や手に花を持っていて、彼らが花を好んでいるのは明らかだった。
買い物客たちは、お金やその代替物も渡さず欲しいものを勝手に取っていった。
私の好奇心は、私の連れを、まさにその人々の体を通り抜けて市場の中心に向かわせた。
これは私が最も興味を覚えた体験である。
疑問が湧いてきたすべてに回答が与えられた。
すべてものはコミュニケーションに属するもので彼らはお金を使わないのです。誰も不正を行わず、共同生活は完全に調和しています。時間の経過とともに、彼らは自分たちのためによく研究、確立された法律に従うよう教えられてきたのです」

大部分の人々は身長160cmで、茶色がかった皮膚に黒い髪と黒い目を持ち、現在のポリネシア系の人々とよく似ていた。
また彼らの中には身長2mで金髪に青い目をした白人がいたし、さらに黒人たちもいた。
黒人は白人のように背が高く、タミール人のような人々やオーストラリアのアポリジ二のような人々など数種族が含まれていた。

我々はさまざまな形や大きさをした船が停泊している港に向かった。
埠頭は大陸の南西部のナトラ採石場から運ばれた巨石で建設されたとのことだった。
港はすべて人工的に造られていて、いくつかの造船場や積載、修復機械を目にすることができた。
港につながれている船には18世紀や19世紀の帆船からモダンなヨットまで、動力源も蒸気機関から超近代的な水素エンジンの貨物船まであった。
港に停泊していた大型船は、私が先に述べた反磁力・反重力船だった。
それらは水上を浮遊したが、数千トンもの荷を積むとき70から90ノットのスピードで水上を航行した。
ただ、音はまったく立てなかった。
”クラシック”な船が港で見られた理由は、ムーによって植民地化された科学的にさほど進歩していなかったインド、日本、中国などの人々が所有していたものだと説明された。
ラティオヌシはこの点について、ムーの指導者たちは、例えば原子力エネルギーや反重力などの科学的知識を秘密に保ってきたと教えてくれた。
この政策は、彼らが地球上で最高の座を維持し安全を保障するためにとられたものだった。

場面は”カット”され、我々は飛行場に戻って街の夜景を眺めているのが分った。
街は球状のランプでまったく一様に飾られ、サバナサの宮殿に通じる<ラーの道>も同様だった。
ランプは通りに沿った柱廊の柱に取り付けられて、まるで昼間のように辺りを照らし出していた。
説明によると、それら球状のランプは原子力エネルギー光に変換したもので、数千年間は消えず照らし続けるようになっていた。

私にはとても理解できなかったが、やはり素直に信じるしかなかった。

日中の別なシーンが現れてきた。

大通りと宮殿の庭園には立派に着飾った人々があふれ、ピラミッドの頂上には巨大な白いボールが据えられた。
私はムーの王がピラミッドの中で瞑想していたのを見たが、その王は明らかに、群衆が集まる直前に死んだのだ。
大きな音とともにボールは爆発し、満場の群衆からいっせいに歓喜が上がった。
通常、死は涙を誘うものであるので私は驚いたが、仲間たちは次のように説明してくれた。
「ミッシェル!私たちが教えたことを忘れてしまったのですか?肉体が死ぬとアストラル体は解放されるのです。彼らはそれを知っていて祝っているのです。3日以内に、王のアストラル体は地球を離れ<大聖霊>と一体になります。なぜなら、王は自分に課せられた重い責任や仕事にもかかわらず、地球における最後の生を模範的に送ったからです
私は何も答えず、ただタオに教えられたことを忘れてしまっていたことを恥じた。

場面は突然変わり、我々は宮殿入り口の階段にいた。
我々の前には大群衆がいて、我々を除くと、それは創造し得る限りの盛装した一人の人物を含めた高位聖職者たちの集会だった。
件(くだん)の人物は新しくムーの王になる人物に違いなかった。
私は彼にどこか引きつけられ、親近感を覚えた。
まるでかって知っていたのに思い出せないといった感じだった。
答えはすぐにラティオヌシが与えてくれた。
「それはもう一つの生における私ですよ、ミッシェル。あなたは彼を見て私と認識できないでしょうが、私の<アストラル・バイプレーション>を彼の感じるでしょう?」
ということは、ラティオヌシはまったく思いもつかない異常な体験をしていたことになる!彼は現世にいながら、前世の自分を見ていたのだ!
一人の聖職者の両手から新しい王に立派な冠が授けられた。
群衆から喜びの声が上がった。
地球で最も高度に発達し、かつ地球の半分以上も地域を支配しているムー大陸は、新しい王を得たのだ。

群衆は喜びで有頂天となっていた。
何千もの赤やオレンジの小さな風船が空に昇り、オーケストラがが演奏を始めた。
少なくとも200人からなるオーケストラは、庭園や宮殿それにピラミッドの周りに滞空する空飛ぶプラットホームで演奏した。
それぞれのプラットホームの上では、音楽家が一団が形容もできない不思議な楽器をいっせいに奏で、その音は、まるで巨大なステレオ・スピーカーから流れてくるようだった。
その音楽は我々が知っているものとはまったくかけ離れていた。
特別なバイブレーションの音色を生むフルートのような楽器以外、すべての楽器は自然の音を奏でていた。
例えばヒューヒューとなる風、花から花へ飛び交う蜂の音、鳥の歌声、湖に注ぐ雨の音、海岸に打ち寄せる波の音など。
それらはすべて巧みにアレンジされていて、波の音はまず庭園で始まり、それから人々の頭上を越えて大ピラミッドの階段にぶっかって終わるのだった。
たとえどんあに進歩した人類でも、このようなオーケストラによる離れ業が行えるとはとても想像できない。
群衆、聖職者そして王は、彼らの魂の内部から生まれてくる音楽を体験していたようであり、皆うっとりしていた。
私もまたその自然の音楽に浸るために、そこにとどまってもっとよく聞きたいと思った。
アストラル体でサイコスフィアを旅していたにもかかわらず、その音楽に私は染み渡り完全に魅了した。
しかし、私は楽しむためにそこにいたのではなかった。
そして、そのシーンは消えた。

心霊天球で見せられたムー大陸の終焉

直ちに、私は王を議長として6人の顧問が参加する臨時の会議を目撃していた。
王が6人の顧問とだけ会合を開くのは、重大な問題が生じた場合であることを私は教えられた。
我々は20年程先に進んでいたので、王はかなり年をとって見えた。
誰もが厳粛な顔をして地震計の専門的な意義について議論しており、私にはその内容が瞬時に分った。
私はまるで彼らの一員のように、議論の中身がわかったのである!
顧問の一人が、装置はしばしば信頼できないことがあり、それほど心配する必要はないと主張した。
別の顧問は、地震計は、大陸西部で起こった最初の大惨事の時には正常に機能しているから正確だと主張した。
彼らが話しているとき、木の葉が風に揺れるように宮殿が揺れ始めた。
王は驚きと恐怖で目を見開いたまま立ち上がり、二人の顧問は椅子からころげ落ちた。
宮殿の外では街のほうから大きな響きが聞こえてきた。
場面が変わると我々は外にいた。
満月が宮殿の外では宮殿の庭園を照らしていた。
すべてが穏やかで、異常に静かだった。
唯一聞こえるのは、街のはずれからやってくる鈍いゴロゴロという音だけ。
突然、使用人たちが宮殿から走り出てきて、四方八方に逃げ回った。
通りを照らすランプが設置された柱の何本かが地面に倒れ、砕けた。
宮殿からは、王と側近たちが急いで出て来る空飛ぶプラットホームに乗って、直ちに空港に向かった。
我々は彼らについて行くことにした。
空港の宇宙船の周りは大混乱となっていた。
ある者は叫び、押し合いながら宇宙船めがけて一目散にかけていった。
王の空飛ぶプラットホームは、一つだけ離れて停まっていた宇宙船に向かい急いで移動し、王と側近たちはそれに乗船した。
地球の深部から耳をつんざくような音ー雷のような、聞き馴れない奇妙な連続音ーが聞こえてきた時には、すでに他の宇宙船は離陸していた。
空港の滑走路は一枚の紙切れのように引き裂かれ、巨大な火の柱が我々を包み込んだ。
離陸直後の宇宙船は炎に捕まり、爆発した。
飛行場を走り回る人々は地面の割れ目に消えていった。
王の宇宙船はまだ地上にあり、炎につつまれて爆発した。

その瞬間、我々は、まるで王の死が合図となったかのように、大ピラミッドが平原にまで及ぶ巨大な割れ目の中に倒れ込んでいくのを目にした。
ピラミッドは割れ目の緑でしばらくバランスを保っていたが、激しい揺れとともに炎の中に飲み込まれていった。

再び場面は変わり、海の波のようにゆらゆら揺れている港と街が見えた。
建物は炎の中で現れては消えていく悲鳴とともに崩壊し始めた。
耳をつんざくような爆発が起こった。
“郊外”全体が大地に飲み込まれ、大陸の巨大な断片んも飲み込まれていった。
突然できた巨大な裂け目に水が流れ込み、巨大タンカーが沈んでいくように、サバナサの高原全体が海中に没していった。
その中に、生き延びようと必死に漂流物にしがみついている人々の姿が見えた。この出来事は1万4500年前に起こったことだと聞いていたが、これほどまでの大惨事を目の当たりにして私は恐ろしかった。
我々は同じ災害に見舞われた大陸のあちこちを急いで”見回った”。
水は巨大な波となり残っていた平野を飲み込んだ。
我々はちょうど噴火したばかりの火山に近づき、その側で、まるで巨大な手が溶岩流の中から岩を持ち上げ眼前で山を造っているように岩が動いて行く様子を目撃した。
これはサバナサの高原が沈んでいくのより速いように思えた。

再び場面は変わり、別のシーンに置き換わった。
「私たちは南アメリカに向かっています。ミッシェル。そこには、まだ大惨時の影響が及んでいません。
海岸とティアチュア−ノ港をみてみましょう。私たちは、最初の地震が起こる直前、ムーの王が顧問たちと議論していた時に戻ってきました」
我々はティアチュア−ノの大きな港の岸壁にいた。
夜のことで満月が陸地を照らしていた。
東の方向にかすかに空の明かりがあり、夜明けを迎えつつあった。
すべてが静まり返っていた。
無数のボートが停泊している岸壁では、見張りがパトロールしていた。
二、三人の騒がしい酔っぱらいが小さなランプの灯ったビルの中に入っていった。
ティアチュア−ノにもムーにあった球状ランプをいくつか見ることはできたが、その数はわずかだった。
運河の上を飛び、数隻の船が内海(現在のブラジル)に向かっているのを見た。
我々は可愛いらしい帆船のブリッジで休んだ。
西のほうからは穏やかなそよ風が吹いてきて、船を後ろから押していた。
帆船は、無数のボートで混雑した一角を通り抜けるために小さな帆だけつけていた。
デッキには、かなりモダンな長さ70メートルほどもあるマストが立っていた。
船形の形から判断すると、外洋でもかなりスピードが出そうな船だった。

しばらくすると、我々はいい気な船室の中にいた。
すべて使用中の1ダースものの寝台が見えた。
ムーからやってきたかと思われる30歳くらいの二人の男性を除き、全員が寝ていた。
二人はテーブルに向かい合い、麻雀のようなゲームに熱中していた。
私は注意は年上と思われる男性に向けられた。
彼の長い黒髪は、後ろを赤いスカーフで結んでいる。
私は磁石に引き寄せられる鉄片のように彼に釘付けとなり、直ちに、仲間たちとともに彼の頭上に移動した。
私は、彼の上を通り過ぎた時は電気的な刺激のようなものを感じ、同時にこれまで一度も感じたことのなかった愛の感覚が湧く起るのが分った。
私は彼に何とも言いようなない親近感を覚え、何度も繰返し彼の所を通った。
「それは簡単に説明できますよ、ミッシェル。彼によって、あなたのアストラル体に再会したのです。
彼はあなたです。
あなたの前世の一つにおけるね。
けれども今、あなたは第三者としてここにいるのです。
あなたに彼の時間を再び生きさせようとしているのではありません。
あまり関わってはいけません!」
後ろ髪を引かれる思いで、私は仲間に従ってブリッジに戻った。

突然、遠く西の方角で大きな爆発音が聞こえ、さらに近くで別の爆発音が起こった。
西の空が輝き始めた。
近づいてみると、立て続けに起こった爆発の間に、西の空半径30キロほどに照らし出す火山の噴火が見られた。
運河と港には叫び声とサイレンが鳴り響き、人々が激しく動揺しているのが分った。
人々が走り回る足音が聞こえ、下から上がってきた水夫たちはブリッジにあふれた。
彼らの中には、彼らと同様に恐怖し私のアストラル体を”着た”水夫の姿もあった。
私はパニックに襲われた”自分”に対して、大きな同情の波が押し寄せてくるのを感じた。
郊外では火山による炎が上がっていて、私は、輝く球体が素早く空を飛び視界から消えていくのを目撃した。
「そう、あれは私たちの宇宙船の一つです」タオが説明した。
「かなり上空で大異変を観察します。17人が乗ってきて生き残りの人々を助けようとしますが、結局助けた人数はごく少数にとどまります。見てご覧なさい」
大地は揺れ轟音を発し始めた。
さらに三つの火山が海岸近くの海面から現れたが、直ちに海水に飲み込まれた。
同時に40メートルもある津波が起き、地獄のような響きとともに海岸に向かってきた。
しかし、津波が街に前に陸地は隆起し始めた。
津波の侵攻を防げるように、大陸の全部分にあたる彼方の港、街、田園地帯が急速に隆起し始めたのだ。
もっとよく見ようと、我々は上昇した。
大地は、穴から出て来た巨大動物が伸びをして背中を弓なりにしたように見えた。
人々は叫び我々にも届いた。
彼らはまるでノンストップのリフトに乗っているかのように街とともに持ち上げられ、パニックを起こしていた。
ボートは津波によって岩にぶっかって粉々に壊れ、先の水夫も文字通り砕け散った。

私の数多い”自分の一つも、今まさに生まれた場所に帰って行った。
地球は完全に造り替えられているようだった。
西から黒い真っ黒な雲が渦を巻きながら素早く近づき、陸地と溶岩と灰の雨を降らせた。
そして街は消えた。
その瞬間、この様子を形容すると二つの言葉が思い浮かんだ。
「壮大さ」と「世界の終末」だ。

すべてのものがぼうんやりとかすみ、仲間達がいる私の側にいるのが感じられた。
銀灰色の雲が我々からゆっくり離れていき、やがてティアウーバ星が現れてくるのが分った。
私は、すぐにも我々を待っている肉体に戻るため銀色の糸を引っ張られるという印象を持った。
我々があとにした堪え難い悪夢のあとで、私のアストラル体の目には、ここ”黄金の”惑星における色の美しさに改めて魅了された。
私は自分の肉体が触れているのを感じた。
目を開けて回りを見回した。
仲間たちが微笑みながら立っていた。
タオが、気分はどうか聞いてきた。
「とてもいいですよ、ありがとう、外がまだ明るいのに驚いています」
「もちろんまだあかるいわ、ミッシェル。どれだけ出掛けていたと思うの?
「よくわかりませんが、5〜6時間ですか?」
「いいえ」タオは面白がっていった「15ルセ、約15分です」
タオとピアストラは私の肩に手を置き、私のあっけにとられた様子に大笑いしながら、私を安楽室から外に誘った。
ラティオヌシも、いくぶん控えめに笑いながらついてきた。